華々しい#1ヒットに比べて愛しさ倍増!
ビルボード・ホット100で最高2位止まりだった曲のシリーズです。1970年代4曲目の愛しのNO.2ヒットは、「3月15日の異名」をバンド名とするアイズ・オブ・マーチの「ヴィークル」です。
中心人物の Jim Peterik がイリノイ州で結成したバンドが基となり、いくつかの気に入らないバンド名を経て最終的にアイズ・オブ・マーチに落ち着いたのが60年代の後半でした。66年に「You Wouldn't Listen」(全米42位)と「Roller Coaster」(全米92位)の2曲をチャート・インさせましたが、残念ながらトップ40の壁は越えられず、彼らはホーン・セクションを加えたブラス・ロック・バンドに生まれ変わり、パロットからワーナーに移籍しました。
移籍後2枚目のシングルとしてヒットしたのがこの「ヴィークル」でした。出だしのブラスのリフの緊張感といったら鳥肌ものですね! そのリフはその後、曲全体にかぶさってきます。エンディングもその同じリフだという徹底ぶり。
ブラス・セクションのリフだけではなく、ベースラインもヴォーカルのメロディラインもすべてが高い緊張感に包まれています。ここまでリスナーの胸をドキドキさせてくれる曲も滅多にないのでは??
この曲がヒットした70年の春先は、ブラス・ロックの先輩格 Blood, Sweat & Tears がアルバム制作中でチャートに不在の時期でした。「ヴィークル」を聴いてまるでBS&Tの新曲ようだと思った人も多かったに違いありません。第一線のブラス・ロック・バンドの一連のヒット曲の合間を縫って、まるでその穴を埋めるかのように上手いタイミングで大ヒットしたということになりますね。
「ヴィークル」は70年3月28日付ビルボード・ホット100で98位というたいへん低い位置で初登場しました。
勢いからするとそのまま1位になってもおかしくなかったとも思われますが、2位になってから急激に失速して、翌週には9位まで下がってしまいました。
アイズ・オブ・マーチはその後2枚のシングルをチャート・インさせていますが、いずれもトップ40には届かず、前回の「ラッパー」と同様に「愛しのNO.2ヒット 兼 愛しの一発屋」になってしまいました。
Chicago やBS&Tに比べて後発のヒットで、しかも全米トップ40入りはこの1曲だけと寂しい成績で終わってしまったアイズ・オブ・マーチでしたが、それだけにこの「ヴィークル」の印象は強烈で、50年近く過ぎた今になってもよく聴いている私がここにいるわけです(^o^)🎵
「ヴィークル」の作者でもあるジム・ペトリックは後に Survivor を結成し、キーボード・プレイヤーとして活躍、さらに「Eye Of The Tiger」(1982 - 全米1位 ★★200万枚、全英1位)、「High On You」(1985 - 全米8位)、「The Search Is Over」(1985 - 全米4位)、「Burning Heart」(1986 - 全米2位、全英5位)、「Is This Love」(1987 - 全米9位) などの一連のヒット曲の共作者としても名前を残しています。
4コメント
2019.11.19 14:23
2019.11.19 14:19
2019.11.18 12:11