華々しい#1ヒットに比べて愛しさ倍増!
「愛しのNO.2ヒット」ではビルボード・ホット100で最高第2位だった曲にスポットライトを当てて、1970年代の頭から順を追ってご紹介しています。
第3弾で登場するのは「愛しのNO.2ヒット」であると同時に「愛しの一発屋」でもあるというなかなか稀有な存在。その曲はジャガーズの「ラッパー」です。
ジャガーズは1965年にペンシルヴァニア州で結成されたポップ・ロック・バンドです。当時のメンバーは、
- Thom Davies (p, key)
- Benny Faiella (g)
- Dominic Ierace (g, vo)
- Bill Maybray (b, vo)
- Jim Pugliano (ds)
- Jimmie Ross (vo, b)
の6人で、ピッツバーグを中心に活動していました。
69年のファースト・アルバム『Introducing The Jaggerz』はなんと Kenneth Gamble & Leon Huff のギャンブル・レーベルからのリリースとなりましたが、見事にコケました。
ギャンブル&ハフから縁を切られたジャガーズは、セカンド・アルバム『We Went To Different Schools Together』(1970 - 全米62位) をカーマ・ストゥラ・レコードからリリースしました。
そこからシングル・カットされた「ラッパー」は、70年1月31日付ビルボード・ホット100で79位という地味な位置で初登場しました。
ポップでサビメロの多少の強さはありますが、特にスタイルが新しくも古くもない曲としては全米2位 ★ミリオン・セラーというのは上々の結果だったと思われます。いや、よくここまで売れて2位まで上がったよね(^^;)
頭上に Simon & Garfunkel の「Bridge Over Troubled Water/明日に架ける橋」がいなかったら1位になっていたわけですから、あらためてすごいヒットだと思います。
ジャガーズは現在も活動中ですが、オリジナル・メンバーで残っているのはベニー・フェイエラとジミー・ロスの2人だけです。一方、「ラッパー」の作者であるドミニク・アイアレスは、その後 Donnie Iris と名前を変えてキャリアを積んでいるのでした。
さて、そのドニー・アイリスが自らこの曲をカヴァーしていました。今回の聴き比べはこれ!
80年にボストンの The Paradise で行われたライヴで演奏されたヴァージョンで、全然売れなかったため、とても入手困難だった音源です(^^)
ドニー・アイリス版は80年代に入ってからの演奏らしく、ニュー・ウェイヴっぽいキーボードのリフをフィーチュアしています。演奏が佳境に入るとハードなギターがキーボードを追いやってとてもロックらしくなるのがイイ! 自ら作ったかつてのヒット曲を楽し気に歌うドニー・アイリスの様子も目に浮かび、音楽ってイイな🎵と実感します。
6コメント
2019.11.08 13:40
2019.11.08 13:37
2019.11.06 22:48