#0034 愛しのNO.2ヒット(003)&愛しの一発屋(002):「The Rapper/ラッパー」 The Jaggerz &聴き比べ #0035 Donnie Iris


 華々しい#1ヒットに比べて愛しさ倍増!

 「愛しのNO.2ヒット」ではビルボード・ホット100で最高第2位だった曲にスポットライトを当てて、1970年代の頭から順を追ってご紹介しています。

 第3弾で登場するのは「愛しのNO.2ヒット」であると同時に「愛しの一発屋」でもあるというなかなか稀有な存在。その曲はジャガーズの「ラッパー」です。

 ジャガーズは1965年にペンシルヴァニア州で結成されたポップ・ロック・バンドです。当時のメンバーは、

  • Thom Davies (p, key)
  • Benny Faiella (g)
  • Dominic Ierace (g, vo)
  • Bill Maybray (b, vo)
  • Jim Pugliano  (ds)
  • Jimmie Ross (vo, b)

の6人で、ピッツバーグを中心に活動していました。

 69年のファースト・アルバム『Introducing The Jaggerz』はなんと Kenneth Gamble & Leon Huff のギャンブル・レーベルからのリリースとなりましたが、見事にコケました。

 ギャンブル&ハフから縁を切られたジャガーズは、セカンド・アルバム『We Went To Different Schools Together』(1970 - 全米62位) をカーマ・ストゥラ・レコードからリリースしました。

 そこからシングル・カットされた「ラッパー」は、70年1月31日付ビルボード・ホット100で79位という地味な位置で初登場しました。

 ポップでサビメロの多少の強さはありますが、特にスタイルが新しくも古くもない曲としては全米2位 ★ミリオン・セラーというのは上々の結果だったと思われます。いや、よくここまで売れて2位まで上がったよね(^^;)

 頭上に Simon & Garfunkel の「Bridge Over Troubled Water/明日に架ける橋」がいなかったら1位になっていたわけですから、あらためてすごいヒットだと思います。

 ジャガーズは現在も活動中ですが、オリジナル・メンバーで残っているのはベニー・フェイエラジミー・ロスの2人だけです。一方、「ラッパー」の作者であるドミニク・アイアレスは、その後 Donnie Iris と名前を変えてキャリアを積んでいるのでした。





 さて、そのドニー・アイリスが自らこの曲をカヴァーしていました。今回の聴き比べはこれ!

 80年にボストンの The Paradise で行われたライヴで演奏されたヴァージョンで、全然売れなかったため、とても入手困難だった音源です(^^)

 ドニー・アイリス版は80年代に入ってからの演奏らしく、ニュー・ウェイヴっぽいキーボードのリフをフィーチュアしています。演奏が佳境に入るとハードなギターがキーボードを追いやってとてもロックらしくなるのがイイ! 自ら作ったかつてのヒット曲を楽し気に歌うドニー・アイリスの様子も目に浮かび、音楽ってイイな🎵と実感します。





 私はドニー・アイリス版の方が好きだったりします。皆さまはどちらがお好みでしょうか?

6コメント

  • 1000 / 1000

  • gutch15

    2019.11.08 13:40

    @Mermanそんな面白いカヴァー・ヴァージョンも聴いてみたいですね~(^^)
  • Merman

    2019.11.08 13:37

    ベースをもっと効かせて、キーボードのリフをビコビコにして、歌のシャウトを抑えたら、いいテクノになると思うな。
  • gutch15

    2019.11.06 22:48

    @anasatoドニー・アイリスのライヴでは定番の曲みたいですね。おそらく自作の曲の中では最高のヒットでしょうから、愛着があるんでしょう(^^)

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