#0045 ピアノが好き(クリスマス編):『A Charlie Brown Christmas/スヌーピーのメリークリスマス』 Vince Guaraldi Trio


 数ある楽器の中でもピアノがかなり好きです。

 1987年 US盤CD

 2006年 US盤ボーナス・トラック付きリマスターCD

 クリスマスが近づいてくるこの季節、街中も Gutch15 の頭の中もクリスマス・ミュージックであふれています(^^)

 今朝は私のライブラリの中から素敵なクリスマスの1枚をご紹介しましょう🎵

 ヴィンス・ガラルディ・トリオの『スヌーピーのメリークリスマス』はCBS放送のテレビ番組のサウンドトラックとして録音されました。世界的大人気を誇る漫画『Peanuts』の人気キャラクターであるチャーリー・ブラウンスヌーピーの生みの親である Charles M. Schulz 氏がジャズ好きだったのはよく知られているので、彼が『ピーナッツ』のアニメ化に際して「音楽はジャズにしてくれ」と申し出たのは当然だと言えます。

 ここでのトリオはヴィンス・ガラルディ (p)、Fred Marshall (b)、Jerry Granelli (ds) の編成で、一部の曲で別のミュージシャンがバックアップしています。

 このサウンドトラックのLPはかなり昔に出ていたようですが、CD化されたのは1987年12月で、私が購入したのはその時でした。

 その後、2006年にはボーナス・トラック付きのリマスターCDが出て、結局そちらも買ってしまうというリスナーの悲しい性(^^;)

 『スヌーピーのメリークリスマス』はクリスマス・アルバムとしても、ヴィンス・ガラルディ・トリオのジャズ・アルバムとしても楽しむことができます。何せ私はピアノ好きなものですから、毎年このシーズンになると必ず聴きまくっている1枚です。


Tr-01 O Tannenbaum/もみの木
  02 What Child Is This/ホワット・チャイルド・イズ・ディス(グリーンスリーヴス)
  03 My Little Drum
  04 Linus And Lucy
  05 Christmas Time Is Here (instrumental)
  06 Christmas Time Is Here (vocal)
  07 Skating
  08 Hark, The Herald Angels Sing
  09 Christmastime Is Coming
  10 For Elise/エリーゼのために
  11 The Christmas Song
  12 Greensleeves
  13 Christmastime Is Coming (alternate take 1)

  14 The Christmas Song (alternate take 3)

  15 Greensleeves (alternate take 6)

  16 Christmas Time Is Here (alternate vocal take)


 オープニングを飾るのはドイツの古いクリスマス・ソングである「もみの木」です。もみの木と言えばクリスマスツリーで使われる形の良い木ですよね~! ここではゆるやかなスウィングを感じる4ビートのリズムにピアノが乗っていく感じ、イイね! つかみはOKです。

 Tr-02 「ホワット・チャイルド・イズ・ディス(グリーンスリーヴス)」と Tr-12 「グリーンスリーヴス」は基本的には同じ曲で、クリスマス・キャロルとしては定番中の定番ですね。厳密には「グリーンスリーヴス」のメロディが先に存在していて、そこに歌詞を付けたものが「御使いうたいて(ホワット・チャイルド・イズ・ディス)」だそうですが、ここでは両方ともインストになっています。私の大好きな曲が2回も登場するので否が応でもテンションが上がりまくってしまいますね💛

 両演奏を聴き比べると、Tr-02はあっさりとした印象で、Tr-12はじっとりとジャジーな雰囲気を感じます。実は両者は編成が違っていて、Tr-02 は「ガラルディ/マーシャル/グラネリ」のトリオ、Tr-12 は「ガラルディ/Monty Budwig (b)/Colin Bailey (ds)による演奏なんです。

 Tr-03 「マイ・リトル・ドラム」はヴィンス・ガラルディ作にクレジットされていますが、実際はアメリカのクリスマス・ソング「Little Dummer Boy」のフレーズを下敷きにしています。子どもたちのコーラスが厳かな曲。この曲は繰り返し聞かれるフレーズが命ですね。

 Tr-04 「ライナス・アンド・ルーシー」はピーナッツのアニメの代名詞と言っていいくらいの大変有名な曲。実は初登場がこのアニメだったんですね! 「お気に入りの古い毛布が手放せない弟」ライナスと「それにいらつく意地悪な姉」ルーシーの迷コンビをテーマにしたヴィンス・ガラルディの生涯を通じての代表曲です。

 Tr-05~06 が出色の出来! すでにスタンダード化して久しく、今後クリスマスのある限り聴かれ続けるであろう「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」ですが、オリジナルはここにあったのですね! ここでは2曲連続して2つのヴァージョンが収録されており、Tr-05 がトリオによるインスト版、Tr-06 がサンラファエルのセント・ポール国教会の聖歌隊による斉唱ヴァージョンです。アニメ番組の監督 Lee Mendelson とヴィンス・ガラルディが共作した作品で、聴いているとなんだか泣けてくるんですよね~。

 同じ2人による共作曲 Tr-07 「スケーティング」は軽やかでポップなナンバー。ピアノの高音を印象的に聞かせる曲で、スケートのくるくると回転するような動きが音で表現されているのを楽しめます。

 Tr-08 「ハーク、ザ・ヘラルド・エンジェルズ・シング」Felix Mendelssohn のメロディに Charles Wesley が歌詞を付けた18世紀のクリスマス・キャロル。日本では「天(あめ)には栄え」という題名でも知られています。ここではオルガンと聖歌隊によるシンプルな演奏になっていて、クリスマスシーズンの教会で聞けそうな素朴な雰囲気がとても素敵です。

 Tr-10 「エリーゼのために」はもちろん Ludwig van Beethoven 作のあの曲です。ピアノ・ソロで演奏される1分ちょっとの小品ですが、やはり世界でもっとも有名なメロディの一つが演奏されているわけなので、存在感がハンパありませんね。この曲が入っているおかげで、このアルバムが老若男女、万人向けになっているのだと思います。

 Tr-11 「ザ・クリスマス・ソング」Mel Torme & Bob Wells 作の洒脱なクリスマス・ソング。無数のカヴァー・ヴァージョンが出ているスタンダード中のスタンダードです。本メロの出だしを聞けば「ああ、この曲ね!」とすぐに分かることでしょう。前半はピアノ・ソロで進み後半にトリオ演奏になりますが、しっとりとした雰囲気は終始崩れることがありません。二押し🎵

 オリジナル盤のラストを飾るのは事実上2度目の登場となる「グリーンスリーヴス」。上でも書きましたが、約5分半にわたってじっくりとジャジーな演奏が聴けるので、アルバムの世界が素晴らしい余韻を残して閉幕していく感じです。

 2006年版CDの Tr-13~16はそれぞれの別テイクが収録されています。聴き比べるとかなり演奏が違っていたりして興味深い。Tr-13 「クリスマス・イズ・カミング」は本編よりも1分ほど長い演奏になっていて、中間のスウィング・パートがたっぷりと楽しめますよ!


 



Satisfaction Guaranteed🎵

4コメント

  • 1000 / 1000

  • gutch15

    2019.12.18 21:50

    @気ままにここにあるのは商業主義にまみれた音楽とは真逆の、素朴な愛と喜びにあふれたクリスマスミュージックなんですよね!
  • 気ままに

    2019.12.18 13:29

    またコメントが出来ていない?おかしい? ログイン要求が多いからコメントできないなぁホント。 パクリネズミーなんかと違いこちらはオリジナリティがあってシリアスな内容がよかったですね。本来の厳かに静かに過ごす欧州のクリスマスが過ごせそうな楽曲群でイイですね。
  • gutch15

    2019.12.16 11:34

    @Mermanイイでしょ~! クリスマスのお気に入りの1枚なんですよ♪ ぜひ何度も聴いてみてください(^^)

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