ものすごくいい女。
私が聴く音楽には特に制限がないのです。「これじゃなきゃダメ」とかいうこだわり条件がほとんどないため、一部のうるさ方からは「節操がない阿呆」扱いされているようですが、私にしてみれば、逆に音楽にジャンルを設けて区別や差別することに何か意味があるのか? という疑問が湧き起こるわけです(^^)
ということで、子どもの頃からクラシックもジャズもポップもロックもR&Bもブルーズも含めた種々雑多な音楽を聴いてきたわけであります。そのことは、今までに上げてきた音楽記事でも十分お分かりではないかと思います。
そこで本日はこんなのもご紹介しちゃいます!
ニューヨークはブロンクス育ちの人気女優&シンガー、ジェニファー・ロペスが1999年にリリースしたデビュー・アルバムです。ジャケットアートを見ても、実に素敵な女性だということが分かりますね(^^)
彼女のご両親はプエルトリカンだそうで、移民ならではの苦労が多々あったとか。そして彼女は契約度外視で自主制作で、両親の言語であるスペイン語のアルバムのデモ・テープを作りました。そのテープがかなり話題を呼んだため、ソニーがジェニファー・ロペスを見出して彼女と契約を結びました。
この順序が、彼女の歌に対する情熱、真剣さを感じさせるでしょう!
さて、そのスペイン語のデモ・テープはいったん保留となり、ソニーであらためて英語の歌でアルバムを作ることとなりました。そこで作られたのがこの『オン・ザ・6』です。
タイトル『オン・ザ・6』の「6」とはニューヨークの地下鉄6号線のことなのだそうです。彼女がまだ幼かった頃、ブロンクスからマンハッタンへと通うのに利用していた思い入れの深い路線なのだとか。
アルバムはマルチ・プロデューサー・システムで作られました。曲単位でプロデューサーが違うんですね。ちなみにその面々の中には、こんな方々がいます。
- Darrell "Digga" Branch
- Sean "Puffy" Combs
- Lauren Dawson
- Emilio Estefan Jr.
- Rodney Jerkins
- Poke And Tone
- Cory Rooney
- Dan Shea
- Ric Wake
- Alvin West
スゴイ名前が見えますね。
Tr-01 If You Had My Love (1999 - 全米1位 ★ミリオン・セラー、全英4位)
02 Should've Never
03 Too Late
04 Feelin' So Good (featuring Big Pun and Fat Joe) (2000 - 全米51位、全英15位)
05 Let's Get Loud
06 Could This Be Love
07 No Me Ames (with Marc Anthony) (Tropical Remix)
08 Waiting For Tonight (1999 - 全米8位、全英5位)
09 Open Off My Love
10 Promise Me You'll Try
11 It's Not That Serious
12 Talk About Us
13 No Me Ames (with Marc Anthony) (Ballad Version)
14 Una Noche Mas
15 Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)/マホガニーのテーマ
Tr-01 「イフ・ユー・ハド・マイ・ラヴ」は彼女のデビュー・シングルにして全米NO.1 ★ミリオン・セラーになった大ヒット曲。99年6月から7月にかけて5週間にわたってビルボード・ホット100の首位を走りました。
ポップなダンス系の曲ですが70年代のディスコ・サウンドとはかなり違いますね。ギターのピキピキ言ってる音なんてヒップホップからのアプローチだし、ビートは完全に打ち込みだし。
時代とともに、ダンス・サウンドも変化しているんですね。
Tr-02 「シュドヴ・ネヴァー」は彼氏以外の男性を好きになってしまった気持ちを歌ったバラード。こりゃ切ないですな。歌ってる女性も、歌われている彼氏も。こそばゆいのは惚れられた方の男だけ!?
それにしてもジェニファー・ロペスって、ついつい聴き入ってしまう艶気のある声をしていますね。
Tr-03 「トゥー・レイト」はそのタイトルから想像できる通りの哀愁のラヴ・ソング。ミドル・テンポにマイナーなメロディ、ギターのフレーズはリフと言うよりもヴォーカルとデュエットしているような感じ。2,3曲目はジェニファー・ロペス自身が作詞しています。彼女は一人の男とは長く付き合えないタイプなのか?
Tr-04 「フィーリン・ソー・グッド」はラップをフィーチュアしたアップテンポのダンス・ナンバー。ビッグ・パンとファット・ジョーによる無機質なラップとジェニファー・ロペスの美しいメロディのパートがとても対照的ですね。この曲はサード・シングルとしてカットされ、ビルボード・ホット100で最高51位、UKチャートでは最高15位を記録しています。
Tr-05 「レッツ・ゲット・ラウド」はラテンの色合いが濃く出た強烈なダンス・ナンバー。これは Gloria Estefan が書いた曲だと知って激しく納得!
この曲で目立つのはピアノですね。ヒップホップ寄りのアプローチもできて、本来のラテン寄りのアプローチもできるという立ち位置はすごく得かもしれません。この曲は4枚目のシングルになったんですが、全米ではチャートインしませんでした。
Tr-06 「クッド・ディス・ビー・ラヴ」はフラメンコ・ギターをフィーチュアしたラヴ・バラード。こういう曲はグロリア・エステファンにもあったな、と思っていたら、プロデュースはグロリアのご主人、エミリオ・エステファン・Jrではありませんか!
Tr-07 「ノ・メ・アメス (Tropical Remix)」はマーク・アンソニーとのデュエット曲。最初の一節が終わるとラテン・パーカッションと生のホーン・セクションが入ってきます。ピアノやギターも加わって、ロマンティックなサルサになってますね。やはりジェニファー・ロペスの強みはこの多様性だな。
Tr-08 「ウェイティング・フォー・トゥナイト」は 3rd Party のカヴァー曲。ジェニファー・ロペスとしてはアルバムからのセカンド・シングルとなりました。ちょっとハウスっぽい、ストレートな打ち込みダンス・ポップのこの曲は99年12月にビルボード・ホット100で8位を記録し、デビューから2曲連続でトップ10入りとなりました。
Tr-14 「ウナ・ノチェ・マス」はこの曲のスペイン語ヴァージョンになります。
Tr-09 「オープン・オフ・マイ・ラヴ」は熱いラテン・ダンス・ナンバー。でもエミリオ・エステファンではなく Darrell Branch の担当なんですね。こういう曲を聴いていると、灼熱の太陽も怖くない!?
いや、やっぱり軟弱な私としては、日陰で聴きたいです(^^;)
Tr-10 「プロミス・ミー・ユール・トライ」はアルバム随一の正統派バラード。この美しさ、Mariah Carey あたりが歌ってもおかしくありませんね。架空ディレクター Gutch15 としては、この路線の曲をシングル・カットしなかったのはかなりのミステイクだと思っています。ダンス・チューンの後にバラードを持ってくれば、その対比が勢いをつけてくれて大ヒットになったでしょうに!(勝手なことを書いています ^^;)
Tr-11 「イッツ・ノット・ザット・シリアス」はかなりシンプルに音を削って、ラテン・ヒップホップにチャレンジしている曲。音楽的レヴェルは高いのかもしれませんが、残念なことに私にはあまり面白みが感じられませんでした。
Tr-12 「トーク・アバウト・アス」では打ち込みポップ・バラードを聞かせてくれます。Tr-10 がシングルにならないのなら、代わりにこちらでも良かったと思いますね。
この曲の好きなところはジェニファー・ロペスの歌い方です。情熱的なラテン・ナンバーでシャウトしていた人と同一人物とは思えないほどのキュートなヴォーカルに、私の背筋はゾクゾクであります。
Tr-13 「ノ・メ・アメス (Ballad Version)」は Tr-07 のヴァージョン違い。こちらはビルボード・ホット・ラテン・トラックスで1位になった曲なんです。シングルとしては Tr-01 のB面だったんですけどね。
こちらは終始バラード調ですが、サルサ・ヴァージョンと同様にとてもロマンティックなのが素晴らしい。
ラストを飾る「マホガニーのテーマ」はお馴染み Diana Ross が75年にリリースして翌76年にビルボード・ホット100でトップに立ったヒット曲のカヴァーです。
基本的に原曲と同様にポップなスロー・バラードに仕上げておりますが、途中にフラメンコ・ギターが入ってくるところは独特のアレンジですね。
6コメント
2019.11.28 13:28
2019.11.27 15:09
2019.11.27 12:51