数ある楽器の中でもピアノがかなり好きです。
ピアノ好きの私が特に推したいジャズ・ピアニストが2人いて、Keith Jarrett とこのチック・コリアなんです。
今朝はチック・コリアの記念すべき第1作を聴いています。『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』というやけに韻を踏みまくったタイトルが熱い気合を感じさせますね(^^)
クヮルテット編成のパーソネルは以下の通り。
- Chick Corea (p)
- Joe Farrell (sax, fl)
- Woody Shaw, Jr. (tp)
- Steve Swallow (b)
- Joe Chambers (ds)
これらはいずれもスゴ腕のミュージシャンばかり。プロデュースは Herbie Mann が買って出ました。まだ無名だったチック・コリアに目を留めバックアップした先見の明は、やはりジャズ界の本物のスターだけのことはありますね。
レコーディングは1966年11月31日と12月1日。
ジャケット・アートを見るといかにも60年代半ばの香りがしてきませんか? 花をデフォルメしていって作ったような模様がサイケデリックな空気感を醸し出している気がしてきます。
Tr-01 Litha/ライザ
02 This Is New
03 Tones For Joan's Bones
04 Straight Up And Down
トップを飾る「ライザ」はギラギラした意欲が隠されず表現された曲。タイトルはチック・コリアの2人の子ども、Liana と Thad の名前をくっつけて付けたそうです。初リード・アルバムのトップに配置する曲だけに熟考を重ねたのでしょう。
チック・コリア自身が作ったメロディアスな曲ですが、インプロヴィゼーションのパートも素晴らしい出来。この荒々しい力のこもった演奏は、後の曲とは違った感動を与えてくれます。13分を超える熱演は、リスナーをこのアルバムの世界に引っ張り込むのに十分です。
Tr-02 「ディス・イズ・ニュー」は、Kurt Weill & Ira Gershwin のコンビで作った曲。チックがかつて演奏していたグループでよく取り上げられていた曲を、デビュー・アルバムでも演奏したのだそうです。
速めの4ビートに各楽器が乗っていきます。途中、息も切れよとばかりに続くトランペット・ソロからサックス・ソロにつながるあたりが印象に残りますね。
Tr-03 はタイトル曲の「トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ」。ふたたび自作曲になりました。4ビートのドラムスにベースとピアノだけが乗るピアノ・トリオの編成ですね。“Joan” というのは当時のご夫人の名前だそうです。素敵なメロディを奥方に捧げたのでしょう。
ラストを締める「ストレイト・アップ・アンド・ダウン」はメロディアスだった前3曲に対して、インプロヴィゼーション合戦とでも言うべき楽曲です。
快速4ビートに乗せて、チックの指が魔法のように動き回ります。ベースは牽引するというよりは、後をついて行っている感じ。意欲的なチャレンジが随所に見られ、仕掛けては対応され、仕掛けられては対応し、という音楽的な対話がひたすらつながって行くんです。
途中ビートもオフになって、仕掛け合ったりする局面もあり、こういう楽器同士の真剣勝負がジャズの醍醐味だなと感じます。
2コメント
2019.10.23 14:24
2019.10.23 09:14